鄙乃里

地域から見た日本古代史

日本三大古系図寸考

予州新居系図

予州新居系図 概 略 『予州新居系図』は鎌倉時代に書かれた伊予国の新居一族の系図で、弘安4年(1281)頃(ほかに正応年間との資料もある)に東大寺戒壇院学僧の凝然(ぎょうねん)が消息文の紙背に記したものです。 反古紙を10枚つなぎ合わせた裏面に書き付…

籠神社 ~結び~

籠神社 ~結び~ そういうわけで、籠神社奥宮(真名井神社)と伊勢神宮外宮の豊受大神は「萬幡豊秋津師比売命(栲幡千千姫)」であったとするのが、最初に書いている私見です。両宮にまつわる様々な疑問を納得できるような形で理解するためには○のところにこ…

私説 伊勢神宮遷座物語 外宮の神様ってだれ?(2)

私説 伊勢神宮遷座物語 外宮の神様ってだれ?(2) 伊勢神宮は天武天皇のころまでには、すでに二所に別けられていたようですが、内宮の祭神が入れ替えられようにも思われます。なぜそのように考えるかといえば、外宮の正宮の様式が男式になっているのに、内…

私説 伊勢神宮遷座物語 外宮の神様ってだれ?(1)

私説 伊勢神宮遷座物語 外宮の神様ってだれ?(1) 天照大神は『日本書紀』によると垂仁天皇の御代に倭姫を御杖代として宇陀の篠幡・近江国・美濃をめぐった後、伊勢に鎮められたとしています。平安時代の『皇太神宮儀式帳』や鎌倉時代の『倭姫命世紀』では…

籠神社 奥宮の女神はどこから来たか?

真名井神社の女神はどこから来たか? 籠神社(このじんじゃ)宮司家の所蔵になる『海部氏系図』は古代の形式を持つ竪系図で、貞観年間(859~877)の書写とされる海部氏本系図と江戸時代書写の勘注系図をいいます。内容は他の二系図に比べて数百年も過去の時…

円珍俗姓系図

円珍俗姓系図 『円珍俗姓系図』とは智証大師円珍が俗世にあったときの一族の系図をいいます。 円珍は讃岐国那珂郡(現在の香川県善通寺市)の人で、弘仁五年(814)の生まれ。円珍の母は空海の姪で佐伯氏の出身といわれています。 円珍の僧としての経歴を摘…