鄙乃里

地域から見た日本古代史

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

春霞の彼方に ~倭大物主神はだれ?

三輪山をしかも隠すか春霞 人に知られぬ花や咲くらむ ~『古今和歌集』 紀貫之 ~ 三輪山の大物主神の実像も謎に満ちている。今回はそれを少し考えてみることにした。 ◎ 大神神社の由緒と『出雲国造神賀詞』 奈良県大神神社の由緒によると、三輪山の祭神は三…

火山と湖 神話の景観美 えびの高原

えびの高原から霧島へ 霧島国立公園(現在は霧島錦江湾国立公園の一部になる)は宮崎・鹿児島両県にまたがる霧島火山群を中心とする高原地帯で、景観に勝れているため、九州でも屈指の観光地になっています。 えびの高原 温泉ホテル 霧島国立公園のうち、宮…

東山界隈を歩く 京都

東山三六峰草木も眠る丑三つ時、突如起こる剣劇の響き! 活弁の時代劇で有名な台詞。子供のころに何遍も聞いたことがあり、チャンバラごっこをするときにも、みんな口癖のように真似ていました。維新前夜の尊皇・佐幕の時代劇でしょう。 京を流れる鴨川の東…

蘇民将来と荒ぶる天神 ③ ~素戔嗚尊~

「蘇民将来説話」は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の物語だともいわれる。素戔嗚尊は牛頭天王・武塔天神と習合されているからである。 素盞嗚神社の由緒 広島県福山市の素盞嗚神社は天武天皇時代(679年)の創建とされ、神社の説明では、吉備真備が当地から分…