鄙乃里

地域から見た日本古代史

火山と湖 神話の景観美 えびの高原

 えびの高原から霧島へ 

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 霧島国立公園(現在は霧島錦江湾国立公園の一部になる)は宮崎・鹿児島両県にまたがる霧島火山群を中心とする高原地帯で、景観に勝れているため、九州でも屈指の観光地になっています

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 えびの高原 温泉ホテル

 霧島国立公園のうち、宮崎県えびの市の南に広がる標高1200mの高原地帯は、えびの高原と呼ばれる観光エリアとして親しまれています。
 このホテルは、もうないかもしれません。それとも、ここに新しいホテルが建っているのかな(?)

 

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  哀愁の赤松林

 観光バスの車窓から見る赤松林が印象に残ります。向こうに見えるのは高千穂峰でしょうか。

 

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 このあたりの景観も雄大です。

 

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 この一帯は噴火口をもつ多くの火山や湖が織りなす雄大な自然の景観美が見られ、また温泉やミヤマキリシマなどの豊かな観光資源にも恵まれているため、登山者や観光客に人気のあるコースになっています。

 

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 韓国岳(からくにだけ)

 

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 しばらく草原で一休み。 

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 えびの地獄

 湯煙が盛んに上がっている

 

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 当時の観光バス

 今見るとフロント部分が少し古くさいですね。でもヘッドライトは眼玉のようでおもしろい。 

 

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 えびのレストセンター

 現在は「足湯の駅 えびの高原」という名称の施設に変わっているらしいです。

 

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 高千穂河原

 高千穂河原は霧島市側にあります。なので、向こうに見えている山は御鉢

 最初の霧島宮は欽明天皇の御代に造られ、御鉢と高千穂峰の中間にありましたが、噴火で焼けたため、性空上人がこの高千穂河原に再建されたそうです。しかし、それも御鉢の噴火で焼け、変遷を繰り返しながら、現在の場所になったようで、高千穂河原に焼けた元宮の跡地が残っています。

 火山は人々に恵みを与えてくれますが、一度活動を開始すれば、恐ろしいものです。記憶に新しいところでは、2011年の新燃岳(しんもえだけ)の噴火では農作物をはじめ、火山灰による多くの被害が発生しました。

 霧島はまた神話・伝説の地としても知られています。

 山麓高原町(たかはるちょう)にある狭野神社(さのじんじゃ)は、狭野命神武天皇の幼名)に関係がある神社とのことで、高千穂峰天孫降臨伝説があります。

 「降臨」といっても、神秘性を与えるためにそう言っているだけで、別に天上から山の嶺に降り立ったというわけではないでしょう。出発地についても諸説がありますが、たぶん北部九州あたりから高千穂山麓の高原地帯に移住して来たものと思われます。その後に、狭野命が宮崎の高千穂宮(たかちほのみや)に移ったといわれています。

 神武天皇狭野神社は一時期、宮崎神宮別宮(わけみや)になっていたそうですから、高千穂宮はたぶん、この宮崎神宮の周辺ではないかと思われます。「宮崎」という地名も高千穂宮の近くとか、たもとの意味で名づけられたのではないでしょうか。

 この地から狭野命は東征に出発したと伝えられます。





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