鄙乃里

地域から見た日本古代史

同期会

 気まぐれ随想録『赤とんぼ』


  同期会 


 春のこの時期になると、自分のような高齢者のところにも、いろいろなところから案内状が舞い込んでくる。広告関係は別にしても、会員名簿の照会、各種の展覧会、施設の竣工式の案内等々…。中でも学校時代の同期会の案内が多い。


 何歳になっても同期会の案内状だけは必ず来る。今さらクラス会をやるには人数が足らないので、年数を重ねるにしたがって自然に同期会のかたちになってくる。小学校はこれまで一度もやっていないが、中学や高校はまだ続いていて、とくに常連の仲間うちでは日常的に旧交を温め合っているようだ。

 
「ようだ」というのは、自分は
かなり前から同期会には出席していないからである。若い頃にはクラス会にもできるだけ参加していたが、遠方であったり、体を壊したりしたので、いつしか御無沙汰状態になっている。


 しかし、もらった案内状には必ず返信をしているし、ハガキの通信欄にも短い挨拶文を書いている。 それで、ある程度の近況はみんなにも分かるはずで、「何とかやっているな~」ぐらいのことが伝われば、同期生なのでそれでもいいのだと思っている。


 中には案内状の宛先すら不明の人がかなりいる。そんな人を見ると、あれからどうしているのかなと思う。元気でいるのかなと案じられる。だから自分も「最近は人付き合いがわるいな」と思われるかもしれないが、心配をかけないように返事だけは必ず出しておくのである。


 お世話人の方にはいつも空振りで誠に申し訳ないが、案内状は受け取るだけでも元気が出る。たとえ自分は出席できなくても、せめて同期会だけは、
今後とも、いつまでも長く続いてほしいと願うものである。






                   

(2019年4月1日の記事です)