ぼんやり生きていると
先日のことだ。台所の隅で何かがチカチカ光り始めたのに気がついた。見ると給湯器のリモコンが点滅している。「えっ?」何があったんだろう。風呂から上がったばかりで、今まで湯は使えていたはずだ。
訳が分からないまま、押し入れから説明書を取り出して調べてみる。
「一度電源を切り、時間をおいてから入れ直してください」。その通りやったが直らない。「直らないときは点滅しているエラーコードを見てください」。説明書でそのナンバーを探してみても該当項目は見当たらない。安全上問題があってもいけないので、ガス屋に電話してみる。急がないなら、明日来てくれるとのことだった。どうせ、どこかのボタンを触ったか、調整が狂った程度で、来てもらうのも気の毒かな…ぐらいに安易に考えて、その日は眠ってしまった。
朝早くガス屋さんが、戸を叩いている。「壊れています。だめですよ」という。「えっ?」。行ってみると、外の給湯器から下に水がポタポタ漏れている。「この水滴が中のヒューズにかかって故障したんです」「じゃあ、ヒューズを交換したらいいんですか?(^^;)」期待感を込めてそう言ったつもりが「だめです。給湯器全部を交換しないといけません」あっさり言われてしまった。げっ!、がっくりだ。「もう、古いでしょう」製造年月を指で示された。そう言われると、ぐうの音も出ない。
たしかに…、近いうちとは知っていたが、それが今だとは思っていなかっただけなのだ。 「古くなったので、内部の水管に小さな穴が空いているんです」だから「ヒューズを替えても、もう使用できない」とのこと。たしかに、その通りだ。
「そこで、商談ですが…、キャンペーン中ですから、エコのほうを注文しておきましょう」。そう言ってガス屋さんは、さっさと帰っていった。…とは言われても、自分にとっては少々の金額ではない。そのうちとは思っていても、直近には予期していなかった大出費なのだ。
今朝方も駐在所からオレオレ詐欺や地震に注意するよう巡回に来てくれたばかりだった。テレフォン詐欺も勿論だが、これがもし自然災害だったら、いったいどうなるのか…と思った。
チコちゃんではないが、ぼんやり生きていると世の中はいつ何があるか、ほんとうに分からないよ。いつも何かを気にしながら生きるのもさびしいことだが、たとえ給湯器ひとつにしても、「油断大敵」「備えあれば、愁い少なし」ということなのか。
(2019年3月29日の記事です)