鄙乃里

地域から見た日本古代史

AI 医師

 気まぐれ随想録『赤とんぼ』


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 高齢になると、どうしても病院に行く機会が多くなる。好むと好まざるとに関わらず、医療機関のお世話にならざるを得ない。

 ところが、体の痛みや不調が発生しても、これは様子を見るべきか、病院にかかるべきかで迷うケースも多い。それでなくても多忙な医師の手を煩わし、増大した健康保険のお世話になっていいものだろうかと。迷っているうちに、時には手遅れになったりすることもあるのではないか。

 そこで、ちょっと考えてみた。
 最近は人工知能(AI)の進歩が著しいといわれている。このAIに将来は医師の代わりをしてもらったらどうだろうかと。いわばAI医師に外来での最初の総合診断をしてもらうのである。

 そんな荒唐無稽な話と思われるかもしれないが、現在の3分や5分診療では、人間の医師でもざっと調べただけで「大丈夫、大したことないよ」で終わりになるケースも多いのである。不調や痛みの原因まで積極的に調べたり、他の診療科を紹介したりして、どこまでも対応してくれる親切な医師などは、今時珍しいほうである。現状のように追われる診療では無理もないのだろう。

 
 ならば、むしろAI医師のほうが短時間で病因に近づける診療ができるかもしれない。そしてすぐにも、病名を確定できるような検査に患者を回してもらえるだろう。それらのデータを照合して、最終的には人間の医師が判断し治療を行えばいい。そうすれば医師の負担も軽減されるだろうし、時間外にだって診てもらえるかもしれない。
 たとえ、はっきりしない病気であっても、AI医師なら気兼ねなく診察を頼めるはずだ。また無駄な検査をあれこれせず、薬も必要なものしか出さないので、保険診療の出費を抑えられるメリットもある。何よりも気軽に病院に行けるのが患者にとってはいちばんありがたいことなのだ。

 
 ただし、AI医師の場合、最初に症状を具体的に説明しておく必要があろう。
 それでも、多少時間がかかってもAI医師なら辛抱強く訴えを聴いてくれるだろうし、患者に合わせて質問や回答も丁寧にしてくれるだろう。最低限必要なデータなどは看護師さんが手配してくれるはずだ。

 また治療に関してもAIが医師の手助けをできるだろうし、人間の医師が時にはミスをしかけると、「ちょっと待って」と指摘もするだろう。検査の部門でも、きっと活躍するに違いない。

 その上で、患者の心のケアまでしてくれる、そんなAI医師ができたらいいだろうなと思う。



 


                   

                   

(平成30年11月24日の記事です)