鄙乃里

地域から見た日本古代史

樹水華

 絵 暦 随 想      

 

  樹水華 じゅすいか 


 
 
黄色の蔓薔薇(つるばら)と白いツツジの場所を過ぎて、通路を越えると、ちょっとした広場に出ました。

 
  ここにちょっと変わったものがありますが、これはなんでしょうか。

 

白い葉っぱが抜けたりゆがんだりしている


 丸いプールの中にステンレス製の3本のポールが立ち、その1本1本から長さの違う短いステンレス線が何本も垂れて、それぞれの先端に楕円形のステンレス板が取り付けられています。

  まるで、オールステンレス製のクリスマスツリーのようです。


  これは「樹水華」といって、丸いプールの水中に樹木をかたどったものが3本立っている創作芸術です。ずっと以前に大阪万博から譲り受けて、ここにやって来たのでした。


 当初はまだ新しくピカピカだったため、朝陽や夕陽がステンレスのはなびらに反射し、それが樹氷さながらにきらきらと輝いていました。


 でも、今ではプールの水も少なく、あちらこちらで線がはずれ、楕円形の華もゆがんで見る影もありません。壊れた傘みたいです。これでは、わざわざ見に来る人もいないでしょう。

 設置するだけ設置してメンテナンスが行き届かないのが○○○仕事? いや、私たち人間の常の姿とも思えます。

 メンテナンス といっても、この場合、部品もなく難しいので、結局はケセラセラと「寿命」の一言で片付けられるのでしょうか。

 

 若い頃は、樹水華もこんな英姿でしたが。

 

 

 万物流転。諸行無常…。これを見ても、記録がいかに大切かが理解されるでしょう。

 それでも、何とかなるなら、全面的に直してほしいものです。

 でないと、これはもったいないです。財産になるか、ゴミになるかの境目です。

 金なんか惜しんでいるときじゃないでしょう。

 もう少し先に、歩いてみます。