三瓶山(さんべさん)は島根県中央部にある6つの峰のトロイデ型火山で、大山隠岐国立公園の一部になっています。
『出雲国風土記』には佐比売(さひめ)山とあり、八束水臣津野命(やつかみずおみづのみこと)が「国来々々(くにこ、くにこ)」と引き寄せた国を固定するために立てた片方の杭が伯耆大山(ほうきだいせん)で、もう一方が、この石見の三瓶山だそうです。
当時は広島市から三次(みよし)を経由してバスで行ったと思います。
ただ、この日は職場の慰安旅行(レジャー)だったので、同僚とわいわい言いながら周囲の様子もろくに見ないで歩いただけですから、今になって写真を見直したりしても、どれが何の写真だったのか、さっぱり訳が分からなくなっています。
そういえば、最近「レジャー」という言葉、単独ではあまり聞かなくなりましたね。終身雇用の考え方がなくなってから、仕事に対する「余暇」の概念も様変わりしたのでしょうか?
三瓶山周辺地図
宿は志学温泉(三瓶温泉)に泊まり、最初の日は池のあるあたりから近くの山に歩いて登りました。
その晩は温泉につかったあと、宴会です。大広間の前に舞台があって、ご指名により順番に上がって歌わされました。
登山
あまり登山という格好じゃない。温泉がメインで、ついでに登山。
カラオケもない時代なので、旅館が呼んでくれた電気ギター演奏者の伴奏で、下手な流行歌を歌って恥をかいたのを思い出します。
そのころ流行っていたのは、大下八郎さんの「女の宿」という曲。
想い出に降る 雨もある 恋にぬれゆく 傘もあろ
伊豆の夜雨を 湯舟できけば 明日の別れが つらくなる
という歌詞なので、年配の方はご存じでしょう。
トロイデ
明くる日はまた、三瓶山に登り、スキー用のリフトで下山したのですが、何岳(太平山かな?)だったのかもよく覚えていないのです。なにしろレジャーですから。
リフト小屋
下山は楽々です。
それでも天気がよくて、早春の明るい一面緑の草原や、なだらかに連なる美しい峰々の山容が、今も思い出の中のおぼろげな絵のように残っています。気分爽快な二日間でした。
三瓶山は人物写真が多くて出せないため、これで終わりです。
それに、春の高原の美しさは、カラーでないと表現できませんからね。