鄙乃里

地域から見た日本古代史

東照宮と杉並木 日光

  「日光を見ずして、結構というなかれ」

 と、いわれるので、2度ばかり行きました。

 といっても、東照宮中禅寺湖ぐらいですが。

 

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 中禅寺

 たしか、外国の大使館などが、いっぱい別荘を建てたところですね。

 名産品でしょうか。木組み細工を土産に買って帰りました。

 華厳の滝にも寄りましたが、さすがに、迫力も半端じゃなかった。


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 東照宮の三猿

 陽明門は平成の大修理(2013~2017)が終わり、三猿のほうも美しく修復されていますね。

 

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 「見ざる 聴かざる 言わざる」は、今はいい意味か、わるい意味か曖昧ですが、元々はよい意味で使っていたようですね。仏教の十善戒と同じような意味でしょうか。

 

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 白糸の滝

 富士の裾野の白糸の滝(静岡県)。こちらにも行ってみました。
 滝は火山層の間から流出していて、その昔、源頼朝立ち寄ったところとか。

 

 

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 富士五湖

 これは山中湖か、河口湖か、芦ノ湖か…、忘れてしまった。 

 

 10年後にまた東照宮を訪れた際は、小雨まじりの日で、冬でもないのに寒くてガタガタ震えました。せっかく東京から行ったのに、陽明門をしばらく眺めただけで、早々に引き返しました。それでも、途中の雨に洗われた日光の杉並木は、相変わらずの荘厳さで、心が洗われるものでした。

 日光東照宮は二代徳川秀忠が創建したものを、三代家光が現在の豪華な造りに再建したそうで、家光公自身も、大名の子息を供にして、たびたび参詣されたようです。

 

 雨に打たれたしっとりした杉並木で思い出すのですが、栃木県は宇都宮市とか、鹿沼市とか、さつき栽培の盛んな土地でもあります。

 私はさつきの花を見るのが好きなので、以前は盆栽展にも何度か行っていて、そこに必ず出品されているのが晃山系のさつき盆栽でした。

 実は、日光市はこの「晃山(こうざん)という有名なさつき品種が誕生したところなのです。「晃山」をよく見ると「日」「光」となっていますね。栃木県でさつき栽培が盛んになったのも、いわば、この「晃山」の御陰。その原木は輪王寺の庭にあったそうです。

 また「晃山」が枝変わりした品種の一つに「日光」があり、栃木県で品種登録されましたが、これはまさしく日光に因んだ名付けでしょう。

 その枝変わりの「光の司」は、宇都宮市のある盆栽家の方が剪定後に捨てようとした枝屑の中から偶然発見された剣弁咲きの品種ですが、こちらも日光の「光」があり、今ではそれぞれが、全国どこの展示会でも見かけるなじみの品種になっています。

  「光の司」も、気づかずにそのまま捨てていたら、この世に存在しなかったもので、この晃山系のさつき盆栽は銘木が多く、いずれも人気の品種です。

 
 同じ日光といっても、観光資源である美しい自然や世界遺産もあれば、地味ながら、その道なりの奥深いドラマを秘めた世界も存在しているのです。

 

 そんな小さなドラマを発掘することも、今の自分の楽しみの一つになっています。


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 晃山の枝変わり 日光


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